拒絶な視線、まぁ綿菓子食え

夜に這う悪い虫。

得体なんぞ知る由もない。

それは寝るその瞬間までいる。

霊なんかよりもずっと怖くて、心と身体を攫うその瞬間を密かに見計らっている。

そろそろ自分の像が掴めてきて酷く落ち込んでいる。

なんて最悪なくそ野郎だと。

それでも折れないエゴイスト。

いいや、もしかするとこれがただの人間だって言うんなら修羅の道。

つくづく寂しいことばかりだなと思う。

もちろん、逆に幸せなことも鎮静剤として貰うが、その場しのぎに感じる。

人間に対して深く感情を入れることは相手も同等に返ってこなければ、ただつらいときがある。

誰かに大切にしてもらえなかった分、きっと自分達も誰かを裏切ったり、悲しませたのも事実。

こうして悲観者、のうのうと生きて自分だけが被害者ヅラってこともありうる。

酷く生きづらい。

頭の箱に強く意識が行った。

右に行けば他責に逃れて左に行けば自責にふける。だから疲れる。

プライドの高さ故に失うものが若気の至りなら、いつになったら大人になるんだろう。

ある日、手で作った紫色の蛇がとても美しかった。

とても恐ろしくて、でも安心した。

よく死ぬ間際に「別れが言えると思うな」というが生きていても同じだ。

良くも悪くもこんな時代。手軽にえんがちょなど可能だ。

さようならなど省略しても構わない時代だ。

あー、そですか。では〜。なんてザラだ。

そこにある誠実さってなんだろう。

 

 

電車に揺らて吊革に掴まりながら席を譲るサラリーマンを見ていた。

一方で俺はわけも分からぬまま中年サラリーマンに「バカッ」と言われた。

スーツというのは恐ろしい。

誠実に見せるものなはずなのに、今の俺には急に暴言を吐く頭のおかしい怖い人にしか思えないのだ。

開く扉と彼の後姿を見届け、「バカッ」と言われた理由を家に着く3、40分程度ずっと考えていた。

邪魔な場所にいたのか?いいや、8割ほどのやや満員ではあったが避けたし、妨害はしていなかった。

私は仮説を立てた。

彼は人をかわすという選択肢がなく、猪突猛進をせざるおえない状況だったのではないか?そこで俺が避けても尚邪魔だったのではないか。

ありえない。十分なスペースがあった。しかしこれしか考えられない。

なぜならたまに出くわす回避意思0のヒトを見るからだ。

今回の人に限らず、電車のやばい彼ら彼女らは決まってアタックスキルを発動する。MP消費があるとするならば、多くのものに技を使っており、その連続技からすれば相当な熟練者であり、憎悪にまみれた闇の住人である。

あらゆるパターンを考えた。

基準は家族(妻、旦那、子供)がいるかいないか。

居るとすれば家庭はきっとギクシャクしている。妻、旦那とはあまりコミュニケーションが取れず、子供の面倒をたまには見ろと、あるいは家事くらいやれと言い、言われする問題ありな家庭に違いない。

もし、「バカッ」というような人が家に着いて「ただいま!今帰ったよ!」と言い寝てる子供を撫でつつ見守り、妻、旦那と笑顔の談笑を楽しもうものなら俺は世界を諦める。

独身なら部屋は散らかっていて、洗い物は絶対残ってるし部屋の隅には埃が溜まっている。

これで部屋がピカピカで冷蔵庫に作り置きの料理や、洗濯もきちんと畳んで収納し風呂場のカビも0なら俺は人間を諦める。

彼らを不幸を願ってはいないが、どうか優しい世界であって欲しいと思うばかりだ。

小さな戦争は毎日身近で起こっていて、大きくなろうものなら簡単に人は死ぬ。