優しいあの子は愛想笑い、日々毒を飲み込んでいた。
きっと明日には何か変わっているはず。
腹の底で眠る殺人鬼は誰しもそうである。
夜は好きだ。
忙しく行き交う人々の視線や、電波の交信。
空気に漂う埃も眠りについている。
静かな場所は苦手だ。
だけど静かな場所が好きだ。
夜はそれがある。
反抗的な態度で品定め。
今日も怒りと恐怖、怯えた動物。
特に誰に伝えるわけでもなく、ただ人工衛星との隙間に漂っていればいいな。
これが家族に見付かったら恥ずかしいのだろうか。
顔見知りに知られたら消すのだろうか。
しかし揺るがないとは自信を持てる。
取って付けたみたいな薄っぺらさ。
生き抜くための正しさよ、ゆえの戦争は肯定できない。
さすがにこの歳、拒絶には理由がある。
否定したいのには相違がちゃんと分かってるし、好きな人には相応の奥深き味を知っている。